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現代社会をシミュレーションした小説を書いております。
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 遅くなりましたが新年明けましておめでとうございます。
 ようやく75.5話および新生活日記にあった作品のまとめ第7集をここにアップデートいたします。皆様方にとって素晴らしい一年になりますよう心より祈ります。

 なお、商業目的狙いのコメントは一切禁止します。ご了承ください。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/2c4b561121674b831ec3d650a32f42eb/1327501994

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/2c4b561121674b831ec3d650a32f42eb/1327502022
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 真実の礎まとめ10話及び11話を今回PDFファイルにて公表します。

10話
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/2c4b561121674b831ec3d650a32f42eb/1320758320

11話

 なお、11話はアップデートできるファイルの関係上、フォントを9と小さくしています。ご了承下さい。

Adobe Reader Xをぜひご利用ください。

 
 今回は17話、17.5話、18話、18.5話を再編させていただきました。
 当然ですがファイルがかなり大きくなりましたのでPDFファイルにてアップデートさせていただきました。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/2c4b561121674b831ec3d650a32f42eb/1320545465

 なお、アクロバットリーダーがない場合は本家本元からのダウンロードをお勧めします。今回再編するにあたり若干お話しますが、オープンオフィスのPDF作成ツールを使っています。

http://www.adobe.com/jp/products/reader.html

 今回よりファイルが大きいため、PDFファイルでの更新となります。
 ファイル上7話となっていますが加工した結果8話となりました。ご了承ください。


http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/2c4b561121674b831ec3d650a32f42eb/1320481523

真実の礎 7話(14.5)

 コメディ『派遣国会議員』外伝『真実の礎』第十四.五話:リブゲートの尻尾(Neutralizer)を今回再編集しました。

1

 真咲なつめが盲腸炎で入院する一週間前、アイヌモシリ共和国の都市である札幌で市長選挙が行われた。
「♪歪んだ政治大嫌い!すーぎやーま泰蔵です!!
 札幌市長選挙候補者の一人、杉山泰蔵の宣伝カーが彼のキャッチフレーズを歌いながら町中を走って回っている。彼は今回の選挙で27歳という最年少という若さで立候補した新人である(作者注:日本の被選挙権は25歳以上から)
 が、実はこの男、キャッチフレーズとは裏腹にとんでもない所から支援を受けていた。それがリブゲートだったのである。

 同じ頃、東京・虎ノ門にあるリブゲート本社ビル…
「社長、御覧になりましたか?札幌市長選挙」
「ええ、見たわよ。彼には期待してるから」
 社長の喪黒福子が専務の根岸と札幌市長選挙について話していた。彼女達が支援している杉山は福子が若い頃勤めていた三洋銀行時代の後輩なのである。
「彼には色々と支援しているからねぇ。勝ってくれないと困るのよ」
「そうですなあ、人も資金もつぎ込みましたからねぇ。尤も福造先生にもですが」
「そうよ、うちの人はメインだけど彼にも勝ってもらってわが社を強化しないと」
「はい、勿論いざというは…」
「対処済みというわけね。さすが、貴方を専務にしただけの事はあるわ」
「ありがとうございます」
 根岸は礼を言う。その二人の話を扉越しに聞いていた女性がいた。喪黒夫妻の娘、夢魔子である。彼女は聞きながら思う。
(お父様もお母様も何故そこまでして政治に力をいれるのかしら?本当にそれでいいのかしら?)
 

「…ん?
 『特強』の隊員の一人、戸増宝児(愛称:ホージー、コードネーム:ジャイラー)は選挙活動をしている若者達を見て不信感を抱いた。彼は麻薬ルート捜査で時計台のところを通りかかったのだがそこで活動している若者達は一見したところは元気そうに選挙活動しているが時々、目がうつろになりそうな表情をしているのだ。
(まさか…奴ら、あれをやっているのでは?)
 彼の言う『あれ』とは黄色い馬の事である。宝児は携帯を出して、仲間に掛ける。
「ホージーだ、今時計台の近くにいる。俺の前で若者が数名選挙活動しているがどうもジャンキーらしい。こっちに来てくれないか」
 数十分後、一台の車が彼の元に来た。降りてきたのは宝児と共に捜査している北条明(コードネーム:マーズ)と赤座伴番(愛称:バン、コードネーム:ストライカー)である。
「相棒、あいつらか?
「相棒と言うな!いつになったらその馴れ馴れしい言い方をやめるんだ」
「おい、お前ら言い争ってる場合か。奴らの様子を見張れ。その為に来たんだろうが!
 北条は二人をたしなめる。
「すみません、北条さん」
「とにかくしばらく様子を見よう。もし奴らがジャンキーなら禁断症状が表れるはずだ、奴らが動いたらお前達二人で後を追え。俺は先に札幌署に協力を要請する、いいな」
「分かりました」
「えっ!?北条さん、こいつとですか?
 とホージーが訊くと
「当たり前だ!文句は言わせん、いいな」
 と北条は答え、車に乗り込んで札幌署に向かった。後に残ったバンとホージーは若者達の張り込みを続けた。やがて、一台のマイクロバスが彼らのもとに来た。
 若者達が乗り込むのを見た二人はホージーが乗ってきた車に乗り込むとマイクロバスの後をつけた。
 

 時間は少し遡って…
 札幌都心部から車で20分行ったところに一つの建物があった、そこがあの杉山泰蔵の選挙事務所である。そこにはサングラスを掛けた金髪の女性と一人の男がいた。その男は痩せ型で出っ歯が生えている。
「ジェーン様、今のところは順調のようですね」
 男は女性に言う。
「ステビンズ、これでうまくいけば私達は大金持ちさ。だが油断するんじゃないよ、サツ(警察)が動いているからね。あの時はハラハラしたけどね」
 『ジェーン』と呼ばれた女が『ステビンズ』と呼んだ男に答える。彼女が言う『あの時』とはあの五稜郭で巨漢が暴れて『特強』隊員に拘束された事件である。何故ならその巨漢に麻薬を売っていたのは彼女達だからである。
「あ、ジェーン様帰って来ましたねぇ」
 ステビンズが事務所の窓を眺めながら言う。演説で各地を回っていた杉山泰蔵が戻ってきたのだ。
「お帰りなさいませ、杉山先生。いかがですか、有権者の反応は?
 ジェーンは事務所の外に出て杉山に挨拶した後、彼に尋ねる。
「すこぶるいいよ、彼らのほうはどうだい?」
 と杉山が尋ねると
「バッチリですよ、先生。彼らはよく働いてくれていますよ」
 とステビンズが答える。
「そうか、僕にはリブゲートが付いている。選挙活動に支障はないからね。それに当選した暁にはアイヌ民俗資料館を創ってアイヌ民族の習慣を甦らせようとする活動を積極的にやるという公約がある。これで票を一気に僕のところに取り込めるというわけだ」
「素晴らしい公約ですわね、今アイヌ社会復興運動が盛り上がってますから有権者には受け入れられますよ」
 とジェーンは追従する。が、杉山の言った公約にはあのリブゲートが後ろにいるのは当然であった。

 杉山陣営の選挙活動員達が戻ってくるまでの間に彼の事務所には後援会の関係者達が来る。彼らは当然リブゲートと関係がある企業の経営者である。
「先生、是非頑張って下さいよ。貴方に我々の全てが託されてますからね」
とリブゲート札幌支社長、竹下信が杉山の手を握りながら言う。
「もちろんですよ、竹下社長。僕は東京本社の喪黒社長からも期待されています。加えて当選後もあなた方の協力が是非必要ですから」
 と杉山。
「ええ、こちらも札幌の再開発に心血を注ぐつもりですから。あの民俗資料館の構想は大したものです」
 と北野健司。彼は札幌にある某ホテルのオーナーであり、竹下とは大学時代の悪友であった男だ。
「とにかく我々は一体化して札幌を更なる発展に導きましょう」
「よっ!さすが若手候補!
 とそれまで黙って聞いていたステビンスが杉山を持ち上げる。が、彼らが唱えた札幌再開発は所詮彼らの為だけの開発計画であった事が後に発覚する…。

「ぜんぜい~、だだいま戻りまじだ~」
 杉山の選挙事務所に選挙活動していた若者達がマイクロバスで戻ってきたのは後援会の関係者が去ってから二時間後の事であった。その事務所に若者達と入ってきたのはバスの運転手であるリーベルト・ドワイヤーという男である。外見は小柄で筋肉質であるが喋り方が知的障がい者のようである。
「おかえり、ドワイヤー。坊や達はうまくやってくれたかい?
 とジェーンが彼に尋ねる。
「ジェーンざま、バッジリでざあ」
と答えるドワイヤー。
「ぞれよりもジェーンざま、ぞろぞろゴイヅらにあれぐばりまじょ。やづら我慢でぎないようで」
と彼は若者達を指差して言う。若者達は黙っていたがどの顔もうつろな表情だった。
「ああ、あれかい?僕が配ろうか?
と杉山が言うと
「先生、ここは私達にお任せ下さい。先生は別室でくつろいでいてくださいな。ステビンス、ドワイヤー、お前達は『あれ』を坊や達に配りな」
とジェーンは二人に命令すると杉山を別室へ連れて行った。
「アラホラサッサー!さあ、君達並んだ並んだ。一人五個ずつだよ」
とステビンスは若者達に言う。若者達の中には様子がおかしくなりはじめているのもいた。
「は、早く…くだ・・さい」
「ああ、わがっでるよ。だがらざっざと並べ」
とドワイヤーは彼らに言いながら、部屋の隅においてあったダンボール箱の中から袋に入った飴を取り出し、順番に並んだ若者達に五個ずつ配る。もらった若者達は早速口に入れて舐めだす者もいてしばらくすると目に光が戻りだしすっきりした表情をする者もいた。
「すみません、その飴もっと下さい!
「だめだめ!これはねえ、かなり高級な飴なのよ。そう簡単にやれないよ。そうねえ、あとで僕ちゃん達のに来なさい。一袋、二万円で売ってあげるから」
「今すぐ欲しいんです!お金を払いますから下さい!
「う~ん、困ったねえ。ここではあげれないのよ。今は配ったので我慢してちょうだい」
「そんな…もうこれなしでは…」
「うるぜえ!ぼじがっだらいうごどをぎげ!ずぎやまぜんぜいがどうぜんじだどぎは多めにぐれでやる!!
「ちょっとドワイヤー!そんな事ジェーン様に無断で言っちゃっていいのかい!?
「な~に、ジェーンざまならわがっでぐれるざあ」
「んもう、どうなっても知らないよ」
 何故、若者達がこの飴に群がるのか?実はこの飴は『シルキーキャンディ』という覚せい剤入りの飴だったのである。今回集まった若者達の中にはあの『マボロシクラブ』に出入りしているのもいてクラブに出入りしていた彼らを通じてこの魔性の飴は若者達の間に広まっていった。
「は~い、これで最後よ。君達、ドワイヤーが言った事をよく覚えておいてね。それでも欲しい人は別の所に用意してあるからね。お金はちゃんと用意してね」
とステビンスが言う。しかし彼もドワイヤーも気付いてなかった、この光景を外から見られていた事を…。

「相棒!運転手ともう一人の男がなんか配っているぜ」
「だから『相棒』と言うなと言ってんだろ!そいつを貸せ!
 若者達を乗せたマイクロバスを追跡してきたバンとホージーは車の中から杉山の事務所内を双眼鏡で見ていた。この双眼鏡は特注品でかなりの倍率で視界もぼやけずに見る事ができる。
「ホントだな…!バン、奴ら配られた物を口にしたら生気が戻ったぞ」
「何だって!?それじゃ、あいつらに配られた物は…」
「ああ、もしかすると薬物かもしれん。行くか!?
「よっしゃ!行こうぜ相棒!
「相棒と言うな!
 二人は事務所に乗り込んだ。

「動くな!警察だ!
!!
 バンとホージーがいきなり事務所内に入ってきたのを見てその場にいた者達はびっくりして立ち尽くした。
「おいどうした!?…これは刑事さん、この事務所に何の御用で?
 騒ぎを聞きつけて奥から杉山とジェーンが出てきて二人に尋ねる。
「杉山さん、貴方この若者達に薬物を渡してましたね?
「な、何言ってるんだ!言いがかりはやめてくれ!
「杉山さん、嘘は困りますよ。この若者達、禁断症状が表れてましたよ」
「おやおや、刑事さん。でしたらこの事務所のどこに薬物があるんですかい?家宅捜査でも何でもやって下さいな」
 とジェーンは自信たっぷりに言った。言われた二人は戸惑った表情をしたがバンがふと若者達が手に持っている飴に目をやるとハッと気付いた。
「君、これは?
「そ、それは選挙活動した後いつもくれるんです。とてもすっきりする味で…」
とその若者は答えた。
「すっきりする?
「ええ、薄荷味の飴をいつも配ってるんですよ。すっきりした気分で活動して欲しいものでして」
とステビンスが答える。が、バンとホージーは疑問を感じていた。その時である、
「ステビンスさん!俺の分はあるのか!?
と一人の若者が入ってきた。
「あ、あれ?君もらってなかったの?
「トイレ行ってたんすよ、飴を下さい!もうその飴なしでは生きていけないんだ!!
「何だって!?おいお前、それはどういう事なんだ!?
 ホージーがその若者に尋ねると
「最初、飴をくれたんで舐めてたら爽快な気分になったんだ。でも一日経つとすぐに飴が欲しくなって、一度に二個、三個と舐めなければおかしくなりそうになるんだ」
と彼は答えた。
!!お前ら、まさかこの飴に…」
「は、はて何の事やら?
とジェーン達はとぼけるが
「相棒!思い出したぜ、これ『シルキーキャンディ』だ!
とバンが叫ぶ。
「何!シバトラが言っていた、あの絹飴か!杉山さん、これはどういう事ですか!?
 ホージーは杉山に鋭く迫る。
「い、いやそれは知らない!それを配るのはこの三人に任せていたから…」
「ジェーン様!
「え~い!このスカポンタン!!逃げるよ!
「アラホラサッサーッ!!
とジェーン・ステビンス・ドワイヤーの三人は奥の部屋に逃げる。そこには裏口があるのだ。
「くそっ!待てっ!
とバンは追いかける。丁度その時、北条が札幌署の警察官数名を連れて事務所に乗り込んできた。
「北条さん!
「ホージー、バンは?
「薬物を渡していた三人組を追いかけてます。北条さんはここにいる彼らを拘束して下さい。そこにいる杉山氏も関わっている疑いがあります」
「分かった、バンの後を追え!杉山さん、申し訳ありませんが署までご同行願いますよ」
 北条はそこに立ち尽くしている杉山に言う。その杉山はがっくりと崩れ落ちて呟いた。
「そ、そんな…僕の夢が…僕の夢が…」
 

「すみません!あの三人を取り逃がしてしまいました!
「くそっ!!なんてこった!!重要参考人だったのに…」
 ここは札幌署の一室。バンは先ほどの三人組を追いかけたのだが結局見失ってしまったのだった。
「バン!お前何やってたんだ!!
「よせホージー、こいつを責めても始まらん。ここの署長及び本部に言って指名手配してもらおう、それしかないな」
「…はい」
 そこへこの札幌署の署長である白石陽一が入ってきた。彼はかつて警視庁の『ゴリラ』にいた事があり、そ捜査員の一人である黒崎高志とは知り合いである。
「三人ともご苦労だった」
 白石は三人をねぎらう。
「申し訳ありません、売人は取り逃がしてしまいました」
「そうか、その事は君達に託そう。それよりも重大な事が分かった」
「といいますと?
と北条が尋ねる。
「うむ、あの杉山という男の後ろにリブゲートがいたんだ」
「えっ、あのリブゲートが!?
「ああ、彼はその会社関係者から賄賂をもらっていた。それだけではない、あの若者達から君達が指摘したとおり、薬物反応が出た。彼らの一部は『マボロシクラブ』から派遣されてきた者達だった」
「なるほど…」
「いずれにせよ、藪をつついて蛇どころかとんでもないものが出てきたものだ。我が署はこれからリブゲートを家宅捜査する。君達にも協力して欲しい、本部の了解はとってある」
「分かりました署長。バン、これで汚名を返上しよう。いいな」
「はい!
 このやりとりから数時間後、リブゲート札幌支社及び杉山の事務所は家宅捜査され、収賄の事実や『杉山の公約にリブゲートが関与していた証拠などが押収され、竹下と北野も逮捕された。だがリブゲート本社はこれらの事に関して関わっていた事については一切否定、『マボロシクラブ』からの派遣と麻薬に関する証拠もあまりにとぼしい物ばかりであった…。

 

 編集者あとがき
 さて、彼らは一体どうなるのでしょうか。8話にこの話の後編を乗せます。

 なお、今後のファイルの公開にはPDFファイルを活用していくことになります。内容が大きくなってきているためにやむなく採用させていただきます。

 著作権者 明示
 特捜戦隊デカレンジャー (C)東映・東映エージェンシー・テレビ朝日
 クロサギ (C)夏原武・黒丸・小学館
 電脳警察サイバーコップ (C)東宝
 フロントミッションシリーズ (C)エニックススクウェア


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