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現代社会をシミュレーションした小説を書いております。
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1
 
「いらっしゃいませ~」 
 ここは東京都内にあるハンバーガーショップ。ここに何故かジュウザが来た。彼は店に入るなり、店内を見渡す。そして何を見つけたか一人頷くとカウンターに行き、妙な注文をした。 
「いらっしゃいませ~ご注文をどうぞ」 
「ダークマインダーを一つ」 
 すると彼の注文を聞いた女性店員はにこやかに 
「あのう、当店ではそういった物はお取扱してはおりませんが」 
「あれ~、おかしいな。この店の裏メニューにあるって聞いたんだけど間違えたかな?あ、そうか!夜だけの特別メニューだったっけアハハハ…」 
 店員はキョトンとしている。 
「いやぁごめんごめん。じゃあハンバーガーを一つ」 
「ありがとうございます、ご一緒にポテトとお飲み物もいかがですか?」 
「ああお願いね。ここで食べてくから」 
「かしこまりました~ありがとうございます」 
 ジュウザは代金を払うと店の奥の席に座る。しばらくして店員が注文した物を運んでくる。先ほど対応した店員だ。 
「お待たせしました~ごゆっくりどうぞ~」
 と言うとジュウザは片目をつむる。店員は一瞬嫌な顔をしたがすぐに去る。一方のジュウザは食事を済ませると店を出て裏へ回った。 
 
 数十分後、裏からあの店員が出てくる。彼の注文を聞いた店員だ。彼女の顔は店内とは打って変わって渋い表情である。 
「何の用なのさ」 
 言い方もぶしつけである。 
「そう嫌な顔をするなよ~シズカちゃ~ん。仕事の依頼で来たんだから~」 
「そんな声で言われるとやりたくない!帰る!」 
「そう言わずに聞いてくれよ。あの暴れ馬の事を調べて欲しいんだからさ」 
 プイと横を向いていた『シズカ』と呼ばれた女性の顔がジュウザに向く。 
「暴れ馬…あの?」 
「そう、あれさ。ニュース見ただろ?あれが流行り始めてるんだ。世の女達があれに踏み潰されるのだけは見てられないんだよ」 
 暴れ馬とは麻薬『黄色い馬』の事である。 
「…でどこを調べればいいのさ?」 
「『マボロシクラブ』、勿論報酬は弾むさ」 
「そんな事言って、前の時は競馬で使っちゃって払わなかったじゃないか!あの時のツケまだ残っているからね」 
「分かってるって!頼むよ、もう犠牲は妹でたくさんだ」 
「……」 
 実はジュウザには腹違いの妹がいた。それを知ったのは五年前の事であり、その時のショックは大きかった。何故なら当時彼女を妹と知らずに恋心を抱いていたからだった。そしてその妹こそ、拳志郎の婚約者のユリアだったのだ。ユリアは二年前、交通事故で亡くなったがジュウザは彼女がある事件に巻き込まれたと思っている。シズカはかつてその事故をジュウザから頼まれて調査に協力した事があるだけに彼の気持ちを知っていた。 
「…分かったよ、でも今度はちゃんと支払ってよ」 
「ああ、前の分も含めてな。で、よかったら…」 
「うるさい!誰がアンタと食事するものか!ベーだ!」 
 とシズカはジュウザに舌を出して店に戻っていった。彼女はジュウザが専属で頼んでいる情報屋『ダークシャドウ』の一員『風のシズカ』である。店内でジュウザが言ったあのおかしな注文は仕事依頼の為の合言葉だったのである。 


「お疲れさまで~す、お先に失礼しま~す」 
 シズカはバイトを終えると、とあるビルに向かう。そのビルの屋上には庵みたいな小屋があり、そこが『ダークシャドウ』の活動拠点である。 
「月光様~ただいま戻りました~」 
 シズカが言うと奥から 
『戻ったか、シズカよ』 
 と老年の男の声がした、とはいっても小屋の奥には木彫りの梟があるだけである。 
「月光様、仕事の依頼です」 
『あの『雲』からか?』 
 ジュウザの事である。 
「はい、でも…ちゃんとお金払ってくれるかどうか…」 
『お前の気持ちも分かるが奴には借りがあるからのう』 
 月光の言う『借り』とは三年前にある調査をした時の事である。シズカが途中でドジを踏んで追われている時にジュウザに匿ってもらったのだけでなく今の拠点まで世話してもらったのだった。 
「?」 
 二人は外で「シャーッ」という音を聞いた。 
「月光様!」 
『あのバカ息子め!またやっておるのか!シズカ、行って止めてこい!!』 
「え~、またですか~」 
『つべこべ言わずに早く行け!!』
「は~い」 
 シズカは戸の前に行き、少し開けて外を伺うとさらに開けて外へ出た。 
 
「あっ、いたいた!若様~、そんな所で立小便はやめて下さいって言われてるじゃないですか!」 
 シズカは小屋の上にいる若者に叫ぶ。 
「うるせ~な、ここでやるのが気持ちいいんだよ」 
 『若様』と呼ばれた若者が答える。彼の名も『月光』である為、『二代目』とも呼ばれる。 
「何言ってるんですか!私達、追い出されますよ!とにかく仕事の依頼がありましたから中に入って下さい!月光様がカンカンですよ」 
「親父が?チッ、分かったよ!今行くべ!」 
 彼は舌打ちすると下に降りる。この若者、態度も言動も野卑である。 
 
『このバカ者め!いつになったらあの癖をやめるのだ!あれで足がついたらどうする!』 
「うるせ~な親父、そんときゃ逃げて隠れりゃいいだろうが。俺達ぁ忍者の家系なんだからさ」 
『えーい!それでもお前はこの『月光』の名を継ぐ者か!情けない…』 
 この親子はしばしば口喧嘩する。 
「あの~月光様、そんな事より…」 
『ああそうじゃったのう。『雲』より仕事の依頼じゃ。暴れ馬が出始めたので『マボロシクラブ』なる所を調べて欲しいとの事じゃ』 
「『雲』がか親父?あの女好きの奴が?」 
「若様!」 
『とにかくじゃ、あのクラブから暴れ馬が出ているらしい。コウモリと連絡を取って潜入調査せよ』 
 『コウモリ』とは『スチールバット』という女性の事である。彼女も『ダークシャドウ』の一員であり、二代目月光にとっては頭が上がらない存在で彼女の事を『姉貴』と呼んでいる。 
「分かったべ、親父。で姉貴はどこに?」 
『秋葉原じゃ、あそこでバイトしているそうじゃから連絡を欠かさないよう』 
 二人が出て行くと頭梁月光は一人呟く。 
『…シズカはともかく息子は大丈夫かのう。ご先祖様、わしは息子の育て方を間違えましたじゃろうか?』 

 
 一方、ジュウザはというと… 
「で、あの子入院しちゃったの?サラちゃん」 
「うん、ママもやめるよう言ったし、刑事さんが協力して病院に引っ張って行ったの」 
 ここはパブ『ラビアンローズ』、ジュウザ行きつけの所である。最近ここで働いている女性の一人が麻薬を使用して入院したと聞いたのである。 
「あら、雲さん。何の話?」 
 この店のママであるエマリー・オンスが来てジュウザに尋ねる。彼は水商売の女達から『雲さん』と呼ばれている。 
「ああ、ママか。フォウちゃんの事だよ」 
「ああ、フォウちゃんね。誰に誘われたか知らないけどあんなことになって…刑事のカミーユさんも特に気にかけてたから」 
「一ヶ月前からだったね?確か」 
「そう、ニュースで知ってると思うけど、あの時は禁断症状出ていたからアパートで暴れて…たまたま刑事さんが住んでいらした所で助かったわ。あの二人できてたそうだから」 
 彼らが話している『一ヶ月前の事』とはこのパブのホステス、フォウ・ムラサメが麻薬『黄色い馬』に手を出していた事である。その事は彼女が住むアパート『ネェル・アーガマ』で発覚し、同じアパートに住む刑事、カミーユ・ビダンが暴れる彼女を病院へ引っ張って行ったのである。その時このパブは営業停止に追い込まれるところであったが突如お咎め無しとされたのだった。ジュウザは口にこそ出さないもののこの事を怪しんでいた。さて、彼らが話していると店の入り口から二人の男が入って来た。その二人を見た時、ジュウザの目が一瞬光った。 
 
 
2
 
「あっ、シロッコさんだ。雲さんごめんね~」 
 パブ『ラビアンローズ』のママであるエマリー・オンスとホステスのサラ・ザビアロフがジュウザのいる席を離れ、入ってきた二人の男のところへ行く。そう、入ってきたのは喪黒の秘書、パプテマス・シロッコと彼の参謀役である長谷川理央である。 
「シロッコさん、いらっしゃい。あら、理央さんも一緒ね」 
「やあ、ママ。彼女いるかい?」 
「また、レコアさん?ひどい、いつもあの人なのね」 
 サラが焼きもちをやく。 
「フッ、ならば君も指名させてもらうよ」 
「何よ、レコアさんのついでみたいな言い方をして」 
 サラはシロッコの腕をつねる。 
「ハハッ、ごめんごめん」 
「シロッコさん、いつもの席でいいかしら?」 
「ああ、ママ頼むよ」 
「ほら、サラちゃんもすねてないで案内して」 
「は~い」 
 そのやりとりをジュウザは気付かれないよう目で追っていた。 
 
「シロッコ…」 
「やあ、来たよ」 
「…顔つきが変わったわね」 
「そうか?前と変わらないと思うが?」 
「変わったわ…。貴方が喪黒福造の秘書になってから何かに飢えているような目つきだもの」 
 レコア・ロンドはこの『ラビアンローズ』で特にシロッコから目をかけられているホステスである。それもその筈、彼女はシロッコの愛人でもあるからだ。 
「さて、理央」 
 レコアがウイスキーをグラスに注いでいるところに目をやりながらシロッコは理央に話しかける。 
「…あの件か」 
「ああ、奴らはうまく動いてくれている」 
「シロッコ、何を企む気?まさか、あそこを…」 
「レコア、そこまでだ。俺達の事を調べている連中は多い、『壁に耳あり』と言うだろう」 
「そういう諺はよく知っているのね」 
 レコアは皮肉を言う。 
「当然だ、それくらいの教養はないとな」 
 シロッコは動じない。その時、理央の携帯電話が鳴る。 
「シロッコ、すまない」 
「いいとも、出たまえ」 
 理央は携帯電話を出して、つないだ。 
 
「俺だ」 
「理央様、大変です!警察がそちらに向かっています」 
 電話の相手はメレ(本名:斑目麗奈)である。 
「警察が?分かった、お前はうろたえずに今いる所で待機していろ」 
「しかし、理央様…」 
「うろたえるなと言った筈だ。心配するな、俺がいる限り法を踏み外すような真似をシロッコにさせないさ」 
「…わかりました。お気をつけ下さい」 
 理央は電話を切る。 
「どうした?」 
「メレからだ、警察がこっちに来るらしい」 
「ほう、ならば待っていようではないか。堂々と」 
「随分余裕ね、何か企んでいる割には」 
「はて、何の事やら」 
 シロッコは惚けた。 
 
 数分後、刑事が二人店に入ってきた。そのうちの一人はあのカミーユ・ビダンである。 
「パプテマス・シロッコだな」 
「ああ、そうだ。何か用かね」 
「リブゲートが経営している『マボロシクラブ』の事で訊きたい事がある。近頃、そこで麻薬パーティーが行われているという事を聞いた。現にそこに行った数名が麻薬中毒になっているが心当たりはないか?」 
「ほう、それは心外だな。大体麻薬など初耳だぞ。従業員からはそんな事は一切聞いていない」 
「ならば、麻薬パーティーの事はどうだ?」 
「ふむ、恐らく従業員の中にそういう事を無断でやっている可能性があるかもしれないがそちらはその線は考えなかったのかね?」 
「既にクラブのホストやホステス達から訊いている。いずれにしてもまだ調査中だから任意同行は求めないが従業員には麻薬の事は厳重に言っておく事だな」 
「ご親切にどうも。そういえば、カミーユ君だったね?君もここのホステスと付き合っていたそうではないか」 
「俺は今回の事に私情は挟む真似はしない。あくまで公務だからな、失礼する」 
 カミーユともう一人の刑事は店を出る。シロッコは冷ややかな目で彼らを見送る。レコアは席を立つ。 
「どこへ行く?」 
「安心して、貴方を売るわけではないわ。別の用事よ」 
 そう言ってレコアは店を出て行く。そのやりとりもジュウザは気付かれないように見ていた…。 
 
「待って、カミーユ」 
 レコアはカミーユを引き止めた。彼女はフォウを通じてカミーユとは知り合いである。 
「すみません、亀山さん。先に車に戻っててくれませんか?彼女と二人きりで話したいので」 
 カミーユはもう一人の刑事、亀山薫に言う。 
「おいおい、俺達ぁまだ仕事があるんだぜ」 
「五分だけでいいです。すぐに行きます」 
「…しょうがねえなあ、五分だぞ」 
 亀山は車を止めてある場所へ向かった。 
「カミーユ、ごめんなさい」 
「いいんですよレコアさん。フォウが麻薬に手を染め始めた時、貴方も止めようとしてくれたのですから」 
「ええ、そうだったわね」 
「しかしレコアさん、あの男とは…」 
「お願いカミーユ、分かって。彼は…シロッコは私を女として見てくれている只一人の男よ。貴方が彼を怪しむのは分かるけど…」 
「レコアさん…。しかし俺はレコアさんを犯罪者にしたくない。それはきっとフォウも同じだ。これは刑事としてだけではない、一人の男としても言っているんだ」 
「ありがとうカミーユ…。でも…」 
「レコアさん、もう行くけど最後にこれだけは言わせてくれ。俺はシロッコを捕まえる、なんとしてでも奴の背後にいるリブゲートの犯罪は暴かなくてはいけないんだ。レコアさんがどの立場に立つかは自由だけどシロッコ側に立つのなら俺は容赦しない、いいですね」 
 レコアが黙って頷くとカミーユは亀山のいる車へ向かい去っていった。 
 
 一方その頃、『ラビアンローズ』の店内では…。 
「さてと理央、話の続きだが…」 
「ああ、例の立ち上げか」 
「そうだ、喪黒に悟られずにあれの売り上げをちょろまかしているからな。資金は豊富だ。まあ、最も奴らには人材をたっぷり回しているがな、選挙の為に」 
「そうか、ところで塔和大学であれに関連した事件が起きたが…」 
「フッ、俺達には関係ないさ」 
「そうだったな」 
 (なるほどね、どうやら奴は独自に何かやらかすつもりだな。喪黒に内緒で) 
 ジュウザは彼らのやりとりを聞きながらそう感じた。 
 
 場所は船橋に移る…。 
 ある女性二人がとあるマンションの前で話している。 
「あれ、うまく仕掛けた?」 
「バッチリ、バッチリ~!七海こそ、変装うまくいってるじゃ~ん」 
「シッ!いいから離れるわよ。…にしても鷹介の言う通りね、スカートめくりとはよく言ったものね」 
 果たして、彼女達はこのマンションで何をしていたのだろうか? 
 
編集者あとがき:
 話も徐々に中盤に入ってきているのですが、麻薬騒動はほんの入り口に過ぎません。
 あの酒井法子がなんと執行猶予の後に芸能界に復帰しようと画策しているのですがこれは以下に薬物に社会が甘いかを物語っている証拠ではないでしょうか。また、ハラスメントにも日本はめちゃくちゃ甘いのです。海外ではハラスメントは犯罪として裁かれていることを皆さんどう思うのでしょうか。
 今回の話の最後に出てきた二人が何をしていたのか、それは次回のお楽しみという事で! 
 
著作権者 明示
『インディアナ・ジョーンズ シリーズ』 (C) 原案はジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ 制作・ルーカスフィルム
特捜戦隊デカレンジャー (C)テレビ朝日・東映・東映エージェンシー 2004-2005 脚本 荒川稔久 他
特救指令ソルブレイン (C)テレビ朝日・東映・東映エージェンシー 1991-1992 脚本 杉村升 他
『空想科学世界ガリバーボーイ』 (C)ハドソン・東映アニメーション 1995
轟轟戦隊ボウケンジャー (C)テレビ朝日・東映・東映エージェンシー 2006-2007 脚本 會川昇 他
忍風戦隊ハリケンジャー (C)テレビ朝日・東映・東映エージェンシー 2002-2003 脚本 宮下隼一 他
『相棒』 (C)テレビ朝日・東映 2000-
『ミスター味っ子』 (C)寺沢大介・講談社
電脳警察サイバーコップ(C)東映 1988
 
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