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現代社会をシミュレーションした小説を書いております。
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編集者前書き
 今回、9.5話から12話まで大幅に話を統合しました。
 若干読みにくくなっていますがご了解ください。CP9の実態をこのように描いてもらいましたが、この種の愚か者はいませんか?

1
 
「ダーッハッハッハ!!笑いが止まらねぇぜ!」 
 ここはゼーラ帝国にあるCP9製薬本社の会議室。社長のスパンダムは重役達を前に大笑いしている。 
「社長、うまくいきましたな」
と常務のロブ・ルッチ。 
「全くじゃ、我々に手を差しのべてくれたマードック社に感謝しないとのう」 
と第一営業部長のカク。 
「ああ、その通りだ!これで壬生国に進出できるばかりかつばさ製薬すら規模を超える事ができる。リブゲート様々ってわけだ。ダーハッハッハ!」 
 サウザー達との会食の時に『新時代出版社』のオルバからマードック社のロンを紹介してもらったのを期にとんとん拍子でリブゲートと提携できたのだからスパンダムは機嫌がいい。 
「よーし!今夜はここにいるお前らとパーッとやるか。ついでに今月の給料にボーナスもつけてやる。ありがたく思え!!」 
「イヤー、気前いいですなぁ社長」 
と追従する第二営業部長のジャブラ。 
「ヨヨイ!あ、ここまで~してくれる~社長は~貴方だけ~」 
 広報部部長のクマドリもゴマをする。彼は歌舞伎が好きで顔に化粧をし、喋り方まで歌舞伎調である。 
「長ぇんだよ!お前の喋り方!普通に喋れんのか!」
「うるさいぞ、ジャブラ。お前も静かに言えんのか」 
 クマドリに怒鳴ったジャブラにルッチが静かな口調で言う。言われたジャブラはルッチを睨み返す、この二人は相性が悪く特にジャブラはルッチが常務になったことが面白くなく、妬んでいる。 
「おい、お前らそのぐらいにしろ。ところでジャブラ、お前のところの営業成績はカクのところより悪いぞ」
「申し訳ありません。部下を叱咤して成績を上げようと努力してますが…」 
「フン、まあいい。今日はそれ以上言わないでおく。俺は今、機嫌がいいからな。その代わり部下共を売上げに貢献させろ、分かったな!?」 
「はい、勿論です」
「ブルーノ」 
「はい」 
 スパンダムに呼ばれた開発部部長のブルーノが立ち上がる。目つきはトロンとしており、髪型は牛の角が生えているようだ。 
「新薬の開発はどうなってる?」 
「今のところは順調です。例の薬も第二段階に入っています」 
「そうか、資金が足りなきゃ、遠慮なく俺に言え。じゃんじゃんつぎ込んでやる」 
「ありがとうございます」 
 ブルーノは慇懃に頭を下げて礼を言う。 
「よし、会議はここまでだ。カリファ、今夜の予定に飲み会入れておけ。そうだな、いい料理屋を探して予約入れておけ」 
 スパンダムは秘書のカリファに言う。 
「かしこまりました」 
 重役達が会議室を出て行こうとすると 
「ああ、ジャブラ待て。ちょっとこっち来い」 
 とジャブラを近くによび寄せ耳打ちで何かを言う。聞いていたジャブラはニヤニヤして 
「分かりました。早速探してみます。社長もお好きですねぇ」 
「ああ、そういうことだ。頼んだぞ」 
 スパンダムもニヤニヤしていたのを見ていたカリファが一言言う。
「社長」 
「ん、なんだ?」 
「それ、セクハラです」 
「おい!俺は何もしてねぇぞ!!」 
「存在自体がです」
「ウォイ!!いいから俺の言ってた事をやれ!!」 
 スパンダムは思わず怒鳴った。
 
 
「やれやれ、あれで会議かい。ただ社長がパフォーマンスしたいだけじゃねぇか」 
 ジャブラは第二営業部の事務室でぼやく。確かに彼の言うとおり、この会社は会議らしい会議はやった事はない。むしろ、スパンダムの独断場だ。 
「おい、フクロウ」
 ジャブラは自分の部下である課長のフクロウを呼んだ。 
「チャパパパパー、何かご用ですか?」 
 フクロウがとんでくる。この男の口は何故かチャックのようである。 
「先日のプラン、第一営業部に先を越されたぞ。ありゃどういう事だ!?」 
「チャパパパー、第一営業部に漏れましたー」 
「何だって!会議まで秘密にしとけと言っただろうが!」 
「喋っちゃいましたー」
「バカヤローッ!!だからいつまでたってもカクの野郎に先越されるんだよ!!ベラベラ喋るんじゃねぇー!!くそっ!これじゃルッチにバカにされるわ、昇進も遅れるわ、最悪だ…」 
 ジャブラは頭を抱えた。
 
 一方、第一営業部ではカクが課長のモーガンを呼んで話をしている。このモーガンという男、部下を奴隷のようにこき使う事で有名であり、社員の何人かが精神的に参ってしまったり、退職している。 
「…そういうわけでじゃ、君の叱咤激励のおかげで成績がいいと社長からお言葉じゃ」
「は、ありがとうございます」 
「この調子で成績を上げ続けてくれ」 
「はい、部下共を徹底的にしごいてやります」 
 モーガンは腕をさすった。
 
 モーガンは自分の机に戻ると三人の社員を呼んだ。 
「おい、お前ら」 
「はい」 
「さっき部長から呼ばれてこの部は成績がいいと言われたぞ」 
 三人はホッとする、が… 
「しかしだ、その中でお前らの成績が一番悪い」 
「……」 
「どういう事だ、えっ!!」 
 モーガンが机をドンと叩いたので、三人はビクッとして直立不動になった。 
「コビー!!」 
「は、はい!」
「お前は取引先で何をやっているんだ、ん~?」 
「…そ、それは…」
「『それは』じゃねぇ!!お前はたるんでるぞ!!もっとねばって契約取ってこい!!」 
「は、はい!」 
「ヘルメッポ!」 
「はい!」 
「お前もだ!お前のような役立たずをおいてやってるのは何故か分かるか?」 
「……」 
「黙っているのが能か!!お前は!!」 
「す、すみませんっ!」 
(チクショーッ!!親父の奴、人を散々こき使ってるくせにこの上まだこき使うのかよ~!!) 
 ヘルメッポはモーガンの息子だけに父親が抗議に耳を貸さない事を知っている。抗議しようものなら左遷かクビである。 
「ウソップ!!」
「は、はい~!!」 
「お前もだ!!これっぽちか!?お前の業績は!!」 
「そ、そんな事言われましても…今、我が社の風当たりが…」
「それをどうするかがお前らの仕事だろうが!!お前らのその足りない脳みそをフルに使ってでも契約取って来い!!いいな!ノルマを達成するまで休みを返上する覚悟でやれ!!」 
「は、はい…」 
「返事が低い!!!」 
「は、はい!!」 
(そんな~) 
 三人は机に戻りながら意気消沈した。 

 
 この会社には『庶務課』と呼ばれている部所がある。ここでは単なる雑務だけやらされているだけで会議にさえ呼ばれない。スパンダム達幹部はこの課を『お荷物課』と呼んでいる。 
「スモーカー課長、私達いつまでここにいるのでしょうか?」 
 この課に配属されているタシギ係長が上司のスモーカーに訊く。 
「知るか、んな事。あいつらは俺達の事をお荷物と思ってるんだ。ま、むしろここの方が気楽だぜ。特に営業部は社員がこき使われてるからな」 
 スモーカーは葉巻をくわえ、ジェンガをやりながら答える。彼は気骨ある性格でCP9創立当時から上層部のやり方に不満があった、その為しばしばスパンダムに直接抗議もしたのでこの庶務課に左遷されたのだった。しかしその性格が会社内の社員から慕われている。 
「ったくあのバカ共め、いつまで世間を騙してりゃ気が済むんだ。このままじゃ間違いなく倒産するぞ」 
「課長!滅多な事言わないほうがいいですよ。この前だってそんな事言って、いびられたではありませんか」 
「だから何だ、ほっとけ。それより気になるのは…」 
「リブゲートとの提携の事ですね」 
 タシギの声が小さくなる。 
「タシギ」 
「はい」 
「眼鏡かけろ、自分の椅子に囁いてどうする」 
「あ!す、すみません」 
 彼女は眼鏡を上に上げていたのだった。彼女は近眼なのにこういう癖をよくやる。 
「で課長…」 
「ああ、リブゲートの件だろ。何であそこと提携しやがるんだ、利用されてポイ捨てされるのは確実だぞ」 
「ホントですね。他の社員達が路頭に迷いますよ」 
「そういうことだ。タシギ、例の資料の方は集まっているか?」 
「はい、私も課長の忠告どおり幹部達に気付かれないよう慎重に集めてます。何せこの会社に不満を持つ人は多いですから」 
「よし、ただその味方の一部から漏れないようにな」 
「大丈夫です。私もその都度、口止をお願いしてますから」 
「だが油断は出来ねぇぞ」 
「はい」 
 実はこの二人、内部告発を画策しているのだった。その為、あらゆる部所から不正の証拠を探し、世間に公表しようとしているのだった…。 
 
 
2
 
「では、行ってきます」 
 ここは塔和大学近くにある柳沢良則教授の自宅。彼はいつもの時間に家を出て大学に向かう。 
「お父さん、ホントきっちりの時間に出るわねぇ。近道あるのに」 
「フフッ世津子、いつも言ってるでしょう。お父さんは各駅停車なんだって」 
 家の中で柳沢の妻の正子と末娘の世津子が話している。 
「あっ、いっけない!恩田君のところ寄るんだっけ。お母さん、私もう行くね」 
「あら、世津子も行くの?早いわねぇ」 
「うん、ここ最近恩田君が大学に来ないのよ。心配だから寄ろうと思って」 
「あら、彼来てないの?大学に」 
「そうなの、だからアパートへ行って様子見てから大学に行く事にしたから。行ってきまーす」 
「いってらっしゃい」 
 正子は世津子を見送る、しかしこの後世津子が恋人の恩田ヒロミツのアパートへ行った事で塔和大学の学長選考会が大揺れに揺れる事に柳沢家の誰もが知る由もなかった…。

 
「おはようございます、柳沢教授」 
「おはようございます」 
 大学の校門前で柳沢はビアスに会う。 
「いつも時間どおりに来られますなぁ、さすが『日本のイマヌエル・カント』と言われるだけある」 
「えぇ、日課ですから」 
「ところでいよいよ学長選考会ですなぁ」 
「そうですねぇ、お手やわらかに」 
 二人は校門をくぐった。 
 
 研究室に入ると准教授の吉田輝明が待っていた。 
「おはようございます、教授。今、木之本教授にお会いしまして教授と学長選考会についてお話ししたいとの事です」 
「木之本君が?例の事ですか?」 
「はい。このままビアス氏が学長になってしまうとなると…」 
「吉田君、それは推薦する人達次第ですよ」 
「ですけれど私は教授、貴方になっていただいたならこの大学は安定すると思っております」 
「ハハハ、吉田君。それは買いかぶり過ぎですよ」 
「教授!私は大真面目に言っているのですよ!ただでさえビアス氏は買収疑惑があるというのに…。とにかく私は絶対教授を推しますので」 
「分かりました。で木之本君との話し合いですけど…そうですねぇ…」 
 柳沢は鞄から手帳を出してページをめくると内線を掛けた。 
「木之本君ですか、柳沢です。君との話し合いですけれど、私は十時から講義がありますのでそうですね…十一時半頃にしませんか?…あ、君も空いている。丁度よかった、ではその時間帯でお願いします」 

 
 少し時間を戻して…。
 
 世津子は恩田が住むアパートに着いた。 
(恩田君、どうしちゃったのかな?風邪でもひいたのかな?ここ最近連絡も無いし…) 
 世津子は恩田のいる部屋に行き、チャイムを押した。しかし、何の返事も無い。 
「恩田君!世津子だけどいるの?返事して!」 
「うるさいな!どうかしたの?」 
 隣から人が出てきたので世津子は尋ねた。 
「ごめんなさいお騒がせして。あの失礼ですけれどこの部屋の方は留守かどうかご存知ありませんか?」 
 すると住民はむっとした表情になった。 
「いるよ。アンタ、そこの人の知り合い?」 
「はい、そうですけれど」 
「だったらそこの人に言ってくれない?夜中に大声は出すわ、部屋の中で暴れるわでうるさいんだよ。大家さんに言おうと思ってたところなんだ」 
「えっ!?どういう事ですか?いつ頃からですか?」 
「そうだな、一週間前くらいかな」 
 その時、部屋の中から「ウガーッ!!」と奇声が聞こえた。 
「恩田君!?恩田君なの?」 
 世津子はドアを開けようとするが鍵が閉まっていて開かない。今度はドタバタと暴れる音がした。 
「また始まったよ!ちょっといい加減にしろよ!」 
「恩田君!どうしたのよ!大丈夫なの!?すみませんが大家さん呼んでもらえませんか!?」 
 世津子は隣の人に大家を呼んでもらうよう頼んだ。しばらくして大家が来たので鍵を開けてもらい、ドアを開けると…。そこには凄惨な光景と変わり果てた恩田の姿があった…。 

 
 話を塔和大学に戻して…。

 柳沢は午前の講義を終わり、研究室で考古学教授の木之本藤孝に会っていた。勿論、吉田准教授もそこにいる。 
「…そうですか、私が先日つけた男はCP9の部長だったのですか」 
「恐らく、吉田君が言っていた通り、学長選考での票の買収でしょう。拳志郎君も同じ事を言ってましたよ」 
「私の言った通りではありませんか!このままではビアス氏の不正行為がまかり通ってしまいます」 
「しかし…、それを示す証拠がありません」 
「教授、私なら証人になれます」 
「吉田准教授がですか?」 
 藤孝が怪訝な顔をする。 
「はい!実は私、CP9の社員が他の教授に金を渡すところを見たんですよ」 
「いつですか?」 
「一週間前ですよ。場所は確か…」 
 その時、研究室の前で人が走る音がし、ドアがバタンと開いた。三人が振り向くと世津子が今にも泣きそうな顔で立っていた。 
 
「…世津子?」 
 柳沢が娘に声を掛けると 
「お…お父さん…ウワーッ!!」 
 と世津子は泣き崩れた。 
「世津子さん!」 
「お嬢さん!一体何があったのですか!?」 
「世津子、どうしたのです!?そんなところで泣いてないでこっちへ来て座りなさい」 
 柳沢達は世津子をソファに座らせると机に置いてあったカップにコーヒーを注ぎ、彼女に渡した。 
「世津子、さぁこれを飲んで落ち着きなさい。もう泣くのはやめてお父さんに何があったのか話しなさい」 
 柳沢は世津子に優しく言った。彼女はコーヒーを飲みながらしばらく嗚咽していたがやがて落ち着いてくるとゆっくりと喋り始めた。 
「お、お父さん…恩田君が…恩田君が…」
 
「な!何ですって!?恩田君が!?」 
 三人は驚愕した、何と恩田が麻薬を使用していたというのである。世津子が彼のアパートに行った時には彼は禁断症状に陥っていた。 
「何という事だ!この大学の生徒が麻薬を使用していたとは…」 
「柳沢教授!これはとんでもないスキャンダルに発展してしまいます!」 
「いや木之本教授、この事は警察が来る筈ですからビアス氏はもう知ってるはずです!それに…」 
「それに…何です?」 
「『新時代出版社』ですよ!このスキャンダルにはまず飛び付きます。何せ…」 
「…!『元斗会』!!忘れていました!遅かれ早かれあの会を通じてこの事は広まります!となると…」 
「お…父さん?」 
「まさか教授…いけません!!それだけは!」 
「しかし吉田君、今はこれしか方法がありません」 
「辞退なされるのですか…学長候補を…」 
「致し方ありません。例えどういう理由にせよ責任は取らねばなりません」 
「お父さん…ごめんなさい、私の為に…」 
「お嬢さんのせいではありません」 
「そうですよ、世津子さん。貴方のお父さんは親として当然の事をしているのです」 
 吉田と藤孝は世津子を慰める。柳沢は内線を掛けた、無論ビアスのところへ…。 
「もしもし柳沢です。大至急話したい事があります。今からそちらに伺いますがよろしいですか?」 
 
「ほう、学長候補をご辞退なされると…」 
「ええ。今、君に話したとおり私は今回の件で責任を取らせていただきます。この事は執行部にも報告するつもりです」 
「分かりました、それにしても残念です。我が校の生徒が麻薬を使用しているとは…」 
 ビアスは沈痛な面持ちで言う。 
「全くです、私もこのような事態になってしまった事を悔んでおります」 
「貴方のお嬢さんはショックだったでしょう」 
「えぇ、娘は恩田君と付き合っていましたから」 
「警察には…」 
「呼んで話したそうです。これから私も行こうと思います。今後の事も考えなければなりません。それでは失礼します」 
 柳沢はビアスの研究室を出て行く。その後ろ姿を見送りながらビアスはニヤッと口元を歪ませた。ドアが閉まると彼は不敵に笑いながら言った。 
「フフフ…。バカめ、うまくいったわ」 
 それから携帯電話でどこかに掛ける。 
「私だ…。ご苦労だった、うまくいったぞ。報酬か?安心したまえ、今夜渡そう」 
 
「教授、これからどうされるおつもりで?」 
「そうですね…。警察には行きましょう。恩田君が心配です、それにこの事を家族で話し合おうと思います」 
「柳沢教授、私も吉田准教授と共に伺ってもよろしいでしょうか?」 
「是非お願いします」 
「お父さん、拳志郎さんにも話そうよ。きっと力になってくれるわよ」 
「そうですね。彼ならこの事を冷静に取り上げてくれる筈です」 
「私も娘に話してみます」 
「木之本教授のお嬢さんにですか?」 
「ええ、裏事情を得る人を知ってますから」 
 こうして塔和大学の学長はビアスに自動的に決まり、柳沢達は今後の対策を話し合う事となった…。 
 
 
3
 
 塔和大学で生徒の麻薬中毒が発覚した頃『黄色い馬』は日本連合国中に出回っていた。それはこの国の北にあるアイヌモシリ共和国とて例外ではなかった…。

 
 アイヌモシリ共和国、かつては本州の人々から『蝦夷』と呼ばれた所である。
 そこでは江戸時代前まではアイヌ民族が平和に暮らしていたが江戸時代前半から侵略が始まり、その度にシャクシャインやコシャマインなる人物が立ち上がって抵抗したものの謀殺され弾圧を受けた。明治時代になってから完全に日本の一部『北海道』として取り込まれ、アイヌ民族は偏見に追われた。
 しかし連合国となった今、彼らは自治を約束され民族の誇りと独立を取り戻す事ができたのであった。

 
「見ろよ、ティファ。函館の町だぜ」 
「ホント、素敵」 
 ここは函館にある五稜郭。
 この江戸末期に造られた城にガロード・ランとティファ・アディールのカップルが城郭から町を眺めていた。ガロードは資産家であるドン・ドルネロの養子にして考古学者インディ・ジョーンズの助手、ティファは国連事務総長であるジャミル・ニートの養女である。ここへ来たのはガロードの師であるインディが大学の特別講義に招かれたからであり、この日は休日である事からつかの間のデートを楽しんでいた。
 この後、災難が降りかかろうとはこの時の二人は知る由もなかった。 
 
「痛ぇーっ!!痛ぇーよーっ!!馬ーっ、黄色い馬寄越せーっ!!」 
 五稜郭入り口近くの駐車場で二メートルを越す太った巨漢が暴れている。頭ははげ頭であり、そこにはハートの刺青がある。不幸にもガロードとティファの二人は巨漢が暴れている所に出くわしてしまった。 
「な、何だ!?あのおっさん」 
「ガロード、どうやら麻薬中毒みたいよ。あの人」 
「やべぇ!こっちに来る。逃げよう、ティファ!!」 
 二人は逃げる、が 
「痛ぇーっ!!痛ぇーよーっ!!」 
 と二人に気付いたのか巨漢が追ってくる。 
「マジかよ!追ってきやがる!」 
「このままじゃ追いつかれるわ」 
「くそーっ!こうなったら!」 
「ガロード、ダメよ!相手は巨漢よ、勝てないわよ」 
「いいから先に逃げろティファ!!何とか食い止める!!」 
 ガロードが巨漢を食い止める覚悟をしたその時だった、 
「発射!!」 
 という声と共に巨漢に向かって網がいくつか架けられた。それでも暴れる巨漢に今度は網に電流が流される。 
 「ぐわーっ!!痛ぇーっ!!痛ぇーよっ!!」 
 巨漢は尚暴れる。二人は呆然と立っていた。 
 
「くそーっ!しぶといな、あのデブ!」 
「トレーラーよりシグナーへ、あれを使う時がきた。車をあの巨漢の前に出して照射してくれ」 
「シグナー了解、まかせて!」 
「ちょっと待った!センちゃん、民間人二名いるよ。あの二人をどかさないと」 
「トレーラーよりマーズとジュピターへ、民間人二名が巨漢の前にいる。彼らを安全な場所に避難させて」 
「了解!おい、そこのお二人さん!危ないから下がってくれ」 
「あ、は、はい」 
 二人は防弾チョッキとヘルメットに身を包んだ男達に誘導された。 
「よし、マーズよりトレーラーへ。民間人避難完了。いつでもOKだ!」 
「トレーラー了解。聞いたね、ウメコちゃん。やってくれ!」 
「シグナー了解!いくわよ~!」 
  巨漢の前に一台の車が止まる。その上にはパラボラアンテナがあり、巨漢に先を向けている。 
「照射!」 
 運転手が車内のボタンを押すと音波が発射される。この音波は一定の範囲内では人間に不快な音波が聞こえるのだ。しばらくすると巨漢はおとなしくなった。 
「シグナーよりみんなへ。成功よ!あの男、おとなしくなったわ」 
「マーズ了解。だがまだ油断するな。麻酔弾打って眠らせてから拘束するぞ」 
「ストライカー了解。手こずったなあ」 
「おい、お二人さん。怪我はないか?」 
「え、ええ。ありがとうございます」 
 暴れる巨漢を拘束し、ガロードとティファを救出した彼らは日本連合警察軍特殊強化部隊、通称『特強』である。 
 
「師匠!」 
「おお、二人とも無事か!」 
「はい!」 
 ここは函館の警察署。ガロードとティファはここで事件を聞いて駆けつけたインディと会っていた。 
「いやあ、危なかったっすよ。もうだめかと思った」 
「ティファを守ろうとしたそうじゃないか」 
「当然だぜ、師匠。男として当たり前だからな」 
「ガロード・・・」 
 と三人が話しているところへ 
「あの~ちょっとよろしいですか?」 
 と二人の男女が話しかけてきた。五稜郭近くの駐車場で巨漢を拘束した『特強』の隊員だ。 
「何か?」 
「そこのお二人さんにお訊きしたいことがあります。申し訳ありませんが部屋までご足労願えますか?」 
「あ、ああ、いいですよ」 
「それじゃ師匠」 
「うん、行ってこい。俺はホテルに戻る」 
「あ、すみません」 
「まだ何か?」 
「もしかして、貴方あの有名なインディ・ジョーンズ先生では?」 
「そうですが」 
「えーっ、うっそー!感激!本物に会うなんて初めて!」 
「おい、ウメコ!感激してないで仕事だ!仕事!」 
「は~い、分かってますよ。北条さん」 
 二人の隊員『ウメコ』と『北条』はガロードとティファを面会室に連れて行った。 
 
「・・・で、たまたま出くわしちゃったわけ?」 
「ええ、そうです」 
「その時、何か気付いたことはありませんか?何でもいいんです」 
「そういえば、あの男『黄色い馬寄越せ!』って言ってたなぁ」 
「なるほど、他には何かありませんでしたか?」 
「う~ん、特には・・・」 
「そうですか・・・」 
「なあ、どうやら手がかりは無さそうだな」 
「そうだな」 
「あの~俺達は」 
「もういいですよ。ご協力感謝します」 
「帰ってもいいですか?」 
「ええ勿論です。バン、この二人を送って行け」 
「あいよ、北条さん。真也行くぜ」 
「あいよ。それじゃ、お二人さんどうぞ」 
  『バン』と『真也』と呼ばれた隊員は二人を宿泊先のホテルまで送って行った。 

 
「・・・そうか、手がかり無しか」 
「はい、キャップ。拘束した奴も『黄色い馬寄越せ』としか言っていなかったそうで」 
「ふむ、またしても『黄色い馬』か・・・」 
「キャップ、彼らへの今後の指示は?」 
「よし、バンと北条それにホージーの三人は引き続きアイヌモシリで捜査するように言え。後の隊員は拘束した男を連れてくるよう」 
「了解」 
 ここは東京にある日本連合警察庁内にある『特強』本部。
 ここの本部長である織田久義警視正は困った顔をした。最近流行の『黄色い馬』の出所を突き止めようと麻薬中毒者(ジャンキー)や麻薬の売人を捕まえて彼らから手がかりをえようとしているのだが全くつかめない有様だからだ。 
「上杉君、他の所はどうだ」 
「ナイトファイヤーより連絡がありました。高知でブレイバー・ジャンヌと共にジャンキーを数名拘束した模様。しかし、ルートが掴めないそうです」 
  オペレーターの上杉智子が答える。彼女のコードネームは『ビーナス』だ。 
「そうか。ジャスミン君、高知へ飛んでくれないか?西尾君と交代だ。香川君には引き続き、高知で捜査するように」 
「わかりました。キャップ」 
  『ジャスミン』こと礼紋茉莉香が答える。彼女は『アーマー』というコードネームだ。この『特強』には各隊員にコードネームがつけられている。ちなみに一部の隊員には愛称もある。 
「しっかし、ここまであの『黄色い馬』が蔓延しているとは・・・」 
「テツ君、それだけ人間というものは快楽志向に走るものかもしれんなぁ」 
「そうですね、我々も気をつけないと」 
「どうかね?状況は」 
「!警視監!」 
 『特強』本部に現れた正木俊介警視監に向かって本部にいた全員が敬礼する。この正木警視監こそ、『特強』の創立者であり、十年前はその前進となる『特別救急警察部隊ソルブレイン』の本部長であった男だ。 
「全員、なおってくれ」 
「はい!」 
「織田君、麻薬の出所は?」 
「それが全く掴めません。昨日、麻薬の売人を捕らえましたが口の中に毒薬を仕込んであって連行中に自殺してしまいました」 
「その件は聞いている、敵はかなり巧妙だな。『ゴリラ』とも話し合ってきたのだが彼らも『黄色い馬』の捜索に当たっているそうだがあちらも掴めないらしい」 
 『ゴリラ』とは警視庁特別捜査第一班のことである。 
「そうですか・・・」 
「あの、警視監」 
「何かね?上杉君」 
「これはあくまで想像ですがもしかすると壬生国の選挙と今回のヤマは絡んでいるのではないでしょうか?」 
「うむ、私も君と同じ意見だ。それだけではない、塔和大学の事件は聞いているね?」
「はい、大学生一人が麻薬中毒になっていたとか。その件で経済学部教授の柳沢氏が立候補を辞退したとも」 
「そうだ、実はその件も絡んでいるのではないかという情報も入っている」 
「えっ!?では今回の黒幕は・・・」 
「ああ、政界に食い込んでいることは確かだ」 
 正木は顔をしかめた。 

 
「そうか、了解した。大樹、本部に戻れ。拘束した者達は警察病院に収容だ」 
「分かりました竜馬先輩。しかしこれだけ中毒者が多いと・・・」 
「ああ、病院側も対応しきれなくなる。なんとしてでもルートを突き止めないとな」 
 『特強』のメンバー達は皆それぞれ『黄色い馬』の脅威を感じ心の一部に焦りを感じ得なかった。
 
3
 
 恩田ヒロミツが拘束されたその日の夜、柳沢の自宅では長女・次女夫婦と木之本藤孝、吉田輝明が来て家族会議が開かれていた…。

 
「ええっ!世津子ちゃんの彼氏が!?」 
 柳沢の次女、いつ子の夫である村田雅史が驚いた。 
「そうなのよ、警察の人によると一週間前から麻薬を使用していたんですって」 
 と柳沢の妻の正子。 
「それ故、教授は学長候補を辞退しました」 
 と吉田はうなだれた表情で言う。 
「あのバカ!!世津子を泣かせたばかりか、お父さんにまで迷惑かけて!!麻薬やってたなんて意思が弱すぎるのよ!!」 
 と長女の奈津子がまくし立てる。 
「奈津子!やめなさいその言い方!!世津子と貴方の娘の前ですよ!!」 
 正子は奈津子を叱る。 
「…だってお母さん」 
「と、ともかくですね、問題は今後の事です。恩田君がああなってしまった以上、彼をどう立ち直らせるかですよ。それと…」 
「それと?」 
 話を本題にもっていこうとした藤孝にいつ子が訊く。 
「大学の事です。これは憶測にすぎませんが今回の一件はビアス教授が仕組んだものかと思っております」 
「じゃあ恩田君はビアス教授の犠牲になったっていうの?」 
 世津子が尋ねる。 
「ええ、可能性はあります。それ故、私は娘のさくらにもこの事を話しました」 
 藤孝には夭折した妻のなでしことの間に一男一女がいる。息子の桃矢は壬生国の派遣国会議員、娘のさくらは香港出身の中国人である李小狼(リー・シャオラン)と結婚し武蔵国の川越でバー『桜都』を経営している。 
「娘さんに?」 
 と訊く奈津子の夫の山口幸弘。 
「ええ、私の娘は夫と共にバーをやっておりまして、そこで裏情報を知ることができる人達と交際しているのですよ」 
「知ってる、そこって拳志郎さんもよく行くって聞いた事がある」 
「おや、ご存知だったのですか世津子さん。それなら話が早い」 
「そういえばお義父さん、拳志郎さんには知らせたのですか?」 
 と村田は柳沢に尋ねる。 
「勿論知らせました。とはいえ、もうニュースになってしまっています。恩田君の両親の事を思うと…」 
「そうですね、両親がどんなに悲しむ事か…」 
 正子は沈んだ表情になる。 
「…今日はここまでにしましょう。吉田君も木之本君もご苦労様でした。後は拳志郎君達『五車星出版社』に託す事にしましょう」 
「お、お父さん。そんな…」 
 と奈津子。 
「明日も講義です。私は寝ます」 
 と柳沢は自分の部屋に行った。 
「よくこんな時に…」 
「お姉ちゃん、そっとしとこうよ」 
「世津子…貴方だって辛いのに」 
 その時今まで黙っていた奈津子の娘である華子がポツリと言った。 
「…お祖父様も世津子お姉様も可哀そう」 
 その一言にその場にいた全員が黙ってしまった…。 

 
 時間は昼に遡る… 
『今日午前八時頃、千葉のアパートで男性一人が麻薬を使用していた事が分かり、警察が身柄を拘束しました。拘束されたのは…』 
「!!」 
 千葉にある行きつけの食堂『日の出食堂』で食事していた拳志郎はテレビのニュースを見るなり驚愕して割り箸を床に落とした。そう、塔和大学での事件がとり沙汰されていたのだった。この日も大学へ行き取材をしようとしていただけに彼のショックは大きかった。 
「おい、拳さん!塔和大っていったら…」 
 店主の味吉陽一が拳志郎に言う。彼とは塔和大学時代の頃からの付き合いだ。 
「……」 
 拳志郎はテレビの画面を見続けている。その時携帯電話が鳴る。我に返った拳志郎は携帯を取り出しつなぐ。 
「もしもし…編集長!…ええ、ニュースは見ました。分かりました、急いで戻ります」 
 拳志郎は携帯を切り、上着のポケットに入れると財布を出し、 
「すまん、急ぐから釣りは取っといてくれ」
 とお金を出して支払うと急いで店を出た。 
「まいどあり!がんばれよ!」 
 陽一は拳志郎をカウンターから見送った。 
 
「戻ったか、拳志郎君」 
「編集長、大変な事になりました」 
「ああ、君の恩師があんな事に巻き込まれるとはな…」 
「はい…」 
 その時、拳志郎の携帯がまた鳴る。 
「もしもし…教授ですか!…はい、ニュースで見ました。で彼の容体は?…そうですか。…勿論です、全力を尽くします。ですからお嬢さんには気を落とされないようお伝え下さい」 
「拳志郎君、あの人からかね?」 
「はい、これはもしかすると学長選考会に絡んだ陰謀の可能性もあるかもしれません」 
 丁度その時、 
「あり得るな、その話」 
 と社長のシュウが現れた。 
「私もニュースを聞いた。先日来た若い検事を知ってるだろう、彼も我々と同じものを追っている。その彼のところにあのサウザーから捜査を終了するよう言われたそうだ」 
 久利生公平の事である。シュウは彼の捜査に協力し今まで取材で得た資料を提供したのだった。 
「やはり鍵は『元斗会』か…」 
「そのようだな」 
「ケン!!」 
 リンとバットが戻ってきた。 
「おお、いいところに戻ってきた」 
「社長、サウザーはリブゲートととも通じています」 
 とリンが言う。 
「…!お前達がスッパ抜いたあれか!」 
「それだけじゃありません、あの時入手した情報の中に『マボロシクラブ』ってのがあったのはご存知ですよね」 
「何か掴めたのか!?」  
 と拳志郎は尋ねる。 
「ケン、あの『マボロシクラブ』かなりやばい事をやってる。ジュドーが言ってたんだ」 
「ジュドーが!?どういう事だ?」 
「アイツの昔の悪友が言ってたんだってさ。最近、仲間のダンサーがそこに行くようになってからおかしくなったって。しかもそこで麻薬パーティーさえ行われてるってもっぱらの噂だってよ」 
「とすると…、恩田は…、誰かに大学で誘われたのか?」 
「どうやらそこから調べる必要がありそうだね、君達」 
「はい」 
 その時である、 
「その『マボロシクラブ』、俺が調べてやってもいいぜ」 
 とソファーで寝ていた男が言った。全員が振り向くと男は起き上がり、伸びをして拳志郎達に向き直った。 
 
「ジュ…ジュウザ!!」 
 リハクとシュウは驚きのあまり声をあげた。この男、普段は仕事をサボっている事が多いが、いざ取材して記事を書くと拳志郎と同様に鋭い内容を書く。それ故、彼は自身の性格から『雲のジュウザ』と言われているが同時に東西新聞社の山岡士郎に行動が似ている事から『五車星の山岡士郎』という異名も持つ。ちなみにその山岡とは競馬仲間である。 
 そのジュウザが自分から取材すると言い出したのだから上司である二人が驚いたのは当然であった。 
「お、お前が調べると言うのか…な、何故お前が…?」 
「いやぁ実はですね、『黄色い馬』ってのをご存知っすか?」 
「ジュドーから聞いた事があるわ。最近流行ってる麻薬ね」 
  とリンが答える。 
「そう!そのとおり!でその麻薬に水商売の女達が手を出してるって聞いたんですよ。行きつけのスナックでね」 
 彼はよく女遊びをやるので風俗関係から情報を引き出すのはお手の物だ。 
「よくやるねぇ、そういうところは強いもんな」 
 とバットが皮肉を込めて言う。 
「バット!」 
 とリンは小声で嗜める。 
「うーむ、何故今まで書かなかった?」 
 とリハクが問うと 
「ハハッ、それは尻尾が掴みにくかったからっすよ。ですが塔和大の事件とバットとリンが言った『マボロシクラブ』でピーンときました。そのクラブの名をホステス達や若者達から聞いたんですよ。そこへ行けば最高の快感を味わえるって」 
 ジュウザは自分の机に行き、引き出しから取材道具を出す。 
「それじゃ、早速行ってきます。ケン、お前さんは引き続き薬害疑惑を調べてくれ。いずれ一本につながる筈だ」 
 とジュウザは拳志郎の肩を軽く叩き、片目をつむって出て行った。その場にいた全員がジュウザを呆然と見送る、その後リハクは呟く。 
「雲が…、動いた…」 
 
「何!!あのジュウザが動いただと!?」 
 ジュウザが動いたと聞いて驚いたのはカイオウも同じだった。たった今拳志郎から弟のトキを通じて聞かされたのだった。 
「フフフ…そうか、あの『雲のジュウザ』が…フフフ…」 
 カイオウは弟のラオウと共にかつて壬生国の軍隊を掌握しようとした時、ジュウザの活躍によって頓挫された事がある。それ故に彼の実力を身をもって知っていた。彼は笑いながら言う。 
「この国を侵す愚か者共め、せいぜい枕を高くしておるがよいわ。雲を突き抜ける事は出来まい…。ヌハハハハ…!」 

 続きは5話(12-13話まとめ)で行います。
 
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